ファリャと迷信

今回も演奏するファリャの組曲「Amor Brujo 恋は魔術師」。タイトルについて。魔術師と訳されているタイトルのスペイン語 Brujoは、「魔術、呪術、呪詛」などおどろおどろしいことにも用いられる。私だったら、「呪いの恋」にするかしら、語呂もイマイチ、訳は難しい。

ここで登場する幽霊は、人を殺し地獄に連れていく悪い霊。12時の鐘とともに現れて、女主人公Candelasを恐怖と絶望に陥れる。演奏会では、この曲の持つ魔法にかけられたような気怠い雰囲気と、恋と恨みの悲しさを表現できたらと思う。

さて、パリから帰ったファリャが暮らしたグラナダのカルメン(女の人の名前だが、小別荘の意味もある)。アルハンブラ宮殿のすぐ隣に建つこの家は、真っ白な壁と鎧戸の薄い青が眩しい。この青は、彼の生まれ故郷カディスでは魔除けの力があるとされていて、ファリャは特別に取り寄せて塗らせたとか、こだわりのディテールなのですね。

写真はこちらpd2mbBBB_9818–

BACK